2025年6月3日午後8時17分ごろ、豊後水道を震源とするマグニチュード4.2の地震が発生しました。
高知県宿毛市で震度2、愛媛県で最大震度3を観測。幸い津波の心配はないとされています。
「震度2」って実際どのくらい?──車中泊・キャンプ時の体感とは
震度2は「屋内で静かにしていれば感じる程度の揺れ」とされ、アウトドアシーンではあまり話題にならない規模です。
しかし、地面に近い場所に寝泊まりする車中泊・テント泊では、こうした小さな揺れも敏感に体感します。
特に、車中泊で使われるバンや軽キャンピングカーは、サスペンションや車体構造の影響で震度1~2でも揺れが伝わりやすく、一部の人には「地鳴り」に近い印象を与えることがあります。
豊後水道と南海トラフの“静かな地鳴り”──最新研究が示す兆候
今回の震源・豊後水道周辺は、南海トラフ巨大地震の想定震源域の西端に位置します。
この海域では「スロースリップ現象(ゆっくり滑り)」と呼ばれるプレート境界の微小な動きが頻繁に観測されています。
2022年に京都大学防災研究所が発表した論文によれば、豊後水道では過去20年間に数十回のスロースリップが発生しており、「大地震の引き金になる可能性がある」とされています。
こうした静かな活動が「震度1~2レベルの有感地震」として現れることもあり、今回の揺れもその一環と考えられる可能性があります。
海外のキャンパーも注目する“地震×アウトドア”の関係性
実は、キャンプと地震の関係性に注目した研究は、国内外で少しずつ増えています。
カリフォルニア大学バークレー校の調査によると、「屋外活動をしていたことで地震の初動を感じやすく、初期避難が早まった」という事例が報告されています。
また、日本でも神戸大学の防災研究チームが「屋外就寝者の方が屋内避難者より“初動ストレス”が少なかった」とする分析を発表しています。
これは、自然に囲まれた環境が心理的安全感を与え、閉塞感を避けやすいからだと考えられています。
“夜間の揺れ”にどう備えるか──実践的ヒント
地震の揺れを体感するシチュエーションで特に怖いのが「夜間」。
視界が限られ、状況が把握しづらいため、不安が大きくなりがちです。
旅先で地震に遭遇した場合、特に車中泊ユーザーは以下のことに注意しておくと安心です:
- 就寝前に避難ルートを確認(車内やテント内に地図を常備しておくのも有効)
- スマホやランタンのバッテリーは満充電に ─ Jackery ポータブル電源 や Goal Zero LEDランタン などを備えておくと心強いです。
- 車はブレーキをかけ、輪止め使用を忘れずに ─ 軽量で持ち運びやすい エマーソン 車輪止め がおすすめです。
- アラート通知(緊急地震速報)をONに設定 ─ 災害時に役立つ 【ベストバイ】多機能防災ラジオ をスマホと併用すると安心です。

防災を“日常の旅スタイル”に組み込む時代
最近はアウトドアギアの中にも、防災を意識した製品が増えてきました。
たとえば太陽光で充電できるLEDランタン、浄水フィルター付きの水筒、耐震構造のカーシェードなど、「キャンプと防災」を融合させたアイテムが注目されています。
こうした工夫があれば、小さな揺れにも冷静に対応でき、「今回は何も起きなくてよかった」で終わる出来事が、次の備えに変わる貴重な経験となります。
最後に:旅は続く、防災とともに
キャンプや車中泊の旅は、非日常の連続です。
でも、地震という“自然の呼吸”はその日常にも、非日常にも関係なく訪れます。
の瞬間をどう受け止め、次にどう備えるか。
それは「楽しいだけじゃないアウトドア旅」を形作る、大切な要素のひとつだと改めて感じます。
【参考情報】
- 気象庁 地震情報:https://www.jma.go.jp
- 京都大学防災研究所:豊後水道におけるスロースリップ(2022)
- University of California, Berkeley:Earthquake Early Response in Outdoor Settings(2021)
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