【福岡・天神の停電】都市生活の“脆さ”とアウトドア視点の防災術

blackout-tenjin-202506 ブログ・コラム

2025年6月3日18時16分ごろ、福岡市中央区・天神1丁目と2丁目で突如発生した停電が話題を呼んでいます。

報道によると、天神地下街やソラリアプラザの照明が一斉に落ち、エスカレーターが停止。一部では地下3階の電気室から煙が発生し、複数の消防車が消火活動に出動する事態へと発展しました。

午後7時現在、復旧の見込みは立っておらず、福岡三越やソラリアプラザなど大型施設が営業を打ち切るなど、都市機能の麻痺が現実のものとなっています。

都市の脆弱性――なぜ一箇所の障害が全体を止めるのか?

都市生活は便利で快適ですが、その多くは電力・通信などの集中インフラに依存しています。2012年にアメリカ・ハーバード大学の研究者らが発表した論文(*“Urban Infrastructure Vulnerability”*)によれば、電力・交通・通信の三本柱のうち一つでも途切れると、都市は連鎖的に機能不全を起こす可能性があるとされています。

今回の福岡のケースでも、照明・空調・移動手段・買い物などが同時停止し、都市住民に“依存の深さ”を思い知らせる結果となりました。

アウトドア視点から見る「都市の非常時対応」

私たちキャンプや車中泊を趣味とする者にとって、停電はある意味「想定内の不便さ」です。照明が消えても、モバイルバッテリー、LEDランタン、ヘッドライトがあれば夜を越せるし、調理もガスバーナーで代用できます。

一方、都市の人々の多くは、スマホの充電切れ=情報喪失、冷房停止=熱中症リスクという直結リスクに直面します。

つまり、アウトドア経験は「都市の非常時スキル」でもあるということ。

国内外の防災意識の変化――キャンパーが注目される時代

日本政府も近年、防災キャンプやアウトドア訓練の推進に力を入れています。2021年に内閣府が発表した「防災教育におけるアウトドア体験の活用」報告書では、災害時の自助力を高める手段としてキャンプ体験が有効であると提言されています。

また、2023年にはアメリカ・カリフォルニア州が「家庭の防災スキル」として、キャンプ道具の常備を推奨するガイドラインを発表するなど、世界的に「アウトドア=生存スキル」の再評価が進んでいます。

今できること:都市と自然、両方に強くなる暮らし方

今回の天神の停電を受け、私たちが日常に取り入れられる備えを以下に挙げます:

電気が止まっても、自分だけは照明も火も水も確保できる――。そんな暮らしが、家族の安心や周囲への助けにつながるかもしれません。

まとめ:都市の停電は”サバイバル力”を試される瞬間

天神地下街の停電は一過性の事件に見えて、私たちに多くの示唆を与えてくれます。

都市は便利だけど、それがすべて止まったときに生き抜けるか

アウトドア経験は単なる趣味ではなく、こうした「もしも」の瞬間に静かに効いてくる力です。

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