キャンピングカーの旅は、自由で贅沢な時間を楽しめる一方で、思いがけないリスクもあるかもしれません。 中でも気をつけたいのが「横転事故」ではないでしょうか。キャンピングカーは重心が高く、構造的に横転しやすいため、少しの判断ミスや環境の変化が命取りになります。
なぜ横転事故が多いのか?
キャンピングカーは一般車より背が高く、車幅も広く、荷物の積み方によっては重心がさらに上がります。 急ハンドルや急ブレーキ、速度超過、突風など、わずかな外力でもバランスを崩すと横転につながります。 アメリカNHTSAのレポートでも、RV横転の主因として「急ハンドル」「スピード超過」「強風」「過積載」「重心の高さ」が挙げられています1。

主な横転事故の原因と割合
以下のグラフは、これらの傾向をもとに構成した横転事故の原因比率です(参考データ)。

- 急ハンドル:30%
- 速度超過:25%
- 強風:15%
- 過積載:10%
- 不均等な荷重:10%
- 路面状況:5%
- その他:5%
事故の場面を少し想像してみてください
たとえば、家族でキャンプ場へ向かう途中。高速道路の追い越し車線で突然の横風、思わずハンドルを切ってしまう…。 そのわずかな操作が、思わぬ動きを引き起こしてしまうことも。 せっかくの楽しい時間が、残念な思い出に変わってしまうかもしれません。

横転を防ぐための5つの対策
- 急なハンドル操作を避ける:特にカーブや車線変更時には慎重に。
- 速度を控えめに保つ:時速80km以上では風の影響が大きくなります。
- 荷物は低く積む:重いものを上に置くと重心が上がります。
- 風の強い日は走行を控える:横風に弱い車体構造を理解しましょう。
- タイヤとサスペンションを点検:接地感を保ち、安定性を高めます。
海外からの警告も
過去のアメリカの報告によれば、2003年にはおよそ70,000人がRV(キャンピングカー)事故に関与したとされており、2012年には負傷者数が75,000人に上るとのデータもあります2。 こうした事故の中でも、横転は特に重篤な結果を招きやすく、速度や風、積載のバランスといった要因が複雑に絡み合って起こることが多いようです。
また、ドイツの調査でも、横転事故において「風・速度・荷重バランス」が主要リスクとして挙げられており、現地のRV関連団体も安全運転への注意を呼びかけています3。
まとめ
キャンピングカーの横転事故は、完全に防げるわけではないかもしれませんが、知っておくことでリスクを減らせる可能性があります。 この記事を通して「自分にも起こるかもしれない」と少しでも感じていただけたなら、きっとそれが最初の一歩になると思います。

出典
- NHTSA「Crash Factors in Rollover Crashes」
https://crashstats.nhtsa.dot.gov/Api/Public/ViewPublication/809438 - Visionary Law Group「RV Accident Statistics」
https://visionarylawgroup.com/most-common-rv-accidents/ - ADAC「Wohnmobil Sicherheitstipps(独語)」
https://www.adac.de/reise-freizeit/wohnmobil/